リスティング広告とSEOの違い。どちらに注力すべき?
リスティング広告とSEOの違い。どちらに注力すべき?

リスティング広告とSEOどちらをやるべきかという問いに対する明確な答えはありません。選択の判断軸としては、端的に申し上げると「効果の即時性・意図したページへの誘導、表示テキストの見せ方をコントロールしたい」のであればリスティング広告、「効果がでるまで一定の時間を許容でき、中長期的に効果が発生し続けるものとしてサイト内にアセットを蓄積していきたい」のであればSEOに注力するべきと考えております。
リスティング広告とSEOの基本的な違い
リスティング広告とSEOの違いは、ずばり「すぐに露出させることができ、露出させるキーワード・テキスト・遷移先ページまでコントロール可能」なのがリスティング広告であり「露出するまでに時間を要し、露出されるキーワード・テキスト・遷移先ページを確実にはコントロールできないが、サイト内の資産としてストックしていくことにより露出量を徐々に増やすことができる」のがSEOと言えます。ちなみにですが、定説ではSEOの効果が発揮されるまでにはページをリリースしてから3ヶ月程必要と言われております。
また、それぞれ露出される箇所としては、リスティング広告の場合、大半のキーワードでは検索結果の最上部、もしくは最下部に広告エリアが設けられており、そこへ他社とのキーワードオークション競争に勝てば露出されます。SEOに関しては検索キーワードの種別、例えばコーポレートサイトなのか、商品ページなのか、コラム記事か、近くのクリニック名などか、によりますが、よくあるパターンとしましては近年ですと広告直下に表示されることの多いGoogle My Businessやwikipediaなどで表示される枠、いわゆる「ポジションゼロ」の枠直下に表示されることが多くなってきております。
検索マーケティングという魅力的なマーケティング手段
ここまでで、検索サービスのシェアやリスティング広告とSEOの基本的な違いについて触れてきました。ここからは、「検索をするという行動」そのものについて話を進めます。
リスティング広告とSEOは検索行動を起点にするという性質上、ユーザーはある程度ニーズを言語化できており需要が顕在化されているとも言えるため、いわゆるマーケティングファネルでマッピングすると上位、つまり顕在層寄りに位置づけられます。そのため、検索面でアプローチできるリスティング広告とSEOはどちらもサイト内での目標達成確度が高く、予算に余裕があればどちらもやるべき効果に結びつきやすい施策でしょう。ただし、実際に施策を検討するとなると、それぞれどのような効果があり、どの程度の投資が必要で、結果、費用対効果はどうなのかといった懸念があるかと思います。次の項でメリデメと、コスト感についてお伝えいたします。
リスティング広告とSEOの効果について
リスティング広告のメリットは前述の通り、露出の「即時性」「コントロール可能な要素が多い」というところであるため、すぐにサイト内にアクセスさせ問い合わせや購入などの狙った行動を促すことが可能です。また、Googleでは2013年頃から、Yahoo!JAPANでは2015年頃からSEOでどの検索キーワードでアクセスされたかの情報が取得できなくなりましたが、リスティング広告であればキーワード単位で出稿するためキーワード毎のパフォーマンスを確認することが可能であり、どのようなキーワードであればお客様のニーズに沿うのかなどと分析のためのデータとして活用することも可能です。一方デメリットとしては流入を継続的に確保し続けるためにはリスティング広告へ投資をし続けなければならない、という所です。
対して、SEOの効果としてはまずは前述の通り、ページを継続的に徐々に蓄積していくことができればサイトの資産となり、お金を掛けずにアクセスを促すことが可能です。また、検索ユーザーがリスティング広告を広告として認識した場合、検索キーワードに対してユーザーのニーズに応える広告でなければ広告のクリックを躊躇します。そのため一般的に同じキーワードで広告とSEOが表示された際、クリック率はリスティング広告よりもSEOの方が高くなるという点がメリットとしてあります。デメリットとしてはやはり最も大きいのは効果がでるまでに一定の時間を要する、狙ったキーワード、検索順位に必ずしも表示させることができないという点です。また、検索順位はあくまでも日々進化するGoogleの検索アルゴリズムに左右されるため、これまで上位掲載されていたものの、アルゴリズムの変化により突然検索順位が下落しアクセスが激減する、といったリスクもあります。
リスティング広告とSEOのコストについて
コスト面に関しましては、リスティング広告の場合、基本的にはクリック課金のため、キーワードの競合性によって1クリック、つまり1アクセスあたりの相場感が左右されます。相場感は数円から数千円と幅広く主に業態によって変わります。もしGoogleアカウントをお持ちであれば、広告出稿をせずともGoogle広告のアカウントを開設できますので、広告管理画面内無料ツールの「キーワードプランナー」で狙っているキーワードの相場感を把握することができます。「キーワードプランナー」のデータをコスト算出の検討材料にするとよいと思います。
SEOの場合、よく無料施策なのではないか?と思われる方がいらっしゃるのですが、SEOを意識したサイトを制作するのではなく、しっかりとアクセスを確保できるようなページへと仕上げるためには、勝てるキーワードの選定からそのキーワードで検索上位に位置づけている競合サイトの調査、検索するユーザーニーズの把握、ニーズに合わせたライティングのディレクション、実際にライティングする作業など、代理店へ外注するにせよ内部で担うにせよコストが発生します。どの程度の外注費用、あるいは内部工数が発生するかというのは、アクセスを狙っているキーワード、そのキーワードで検索上位の競合がどの程度のコンテンツを用意しているかが参考材料になりコストを概算することができるかと思います。
上記のようなプロセスを通じて、リスティング広告・SEOの費用対効果を算出し、実施可否の判断をすることが必要です。
では、リスティング広告とSEOの違い。どっちをやるべき?
ここまでご説明してきた通り、リスティング広告とSEOはどちらもマーケティングファネル上位に位置づく顕在層向けのマーケティングですので優先度高く「どちらもやるべき」というのが一般的な見解ではありますが、企業様にとって捻出できるコストや工数には限りがあると思いますので優先度付けはするべきかと思います。その際、先程ご説明しました、効果や、コスト面などを材料に検討されるのが良いかと思います。
選択の判断軸として「効果の即時性・意図したページへの誘導、表示テキストの見せ方をコントロールしたい」のであればリスティング広告、「効果がでるまでに一定の時間を許容でき、中長期的に効果が発生するものとしてサイト内にアセットを蓄積していきたい」のであればSEOに注力するといった形で状況に応じて検討いただければ幸いです。
まとめ
本記事にてお伝えしたいことの概要を振り返りますと、
1:検索マーケティングはGoogleメイン、リスティング広告であればGoogle+Yahoo!JAPAN検索を意識すればほぼ100%網羅可能
2:リスティング広告は、すぐに露出させることができ、露出させるキーワード・テキスト・遷移先ページまでコントロール可能
3:SEOは、サイト内の資産としてストックしていくことにより露出量を徐々に増やすことが期待できる施策
4:検索マーケティングはリスティング広告・SEO問わずマーケティングファネル上位に位置するため、予算が許すのであればどちらもやるべき施策
5:コストに関しては狙いたいターゲット、キーワード、捻出できる工数に依る
というところでございます。ご覧いただきありがとうございました。