リマーケティング広告って何?今更聞けないマーケティングの基本

 

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リマーケティング

リマーケティング広告とは、「一度でもサイトへ訪れたことがあるユーザーに対し、サイトから離脱した後、広告を露出させることができる手法」です。

既訪ユーザーへリーチできるため確度が高いことや類似層への配信拡大が可能なところ、リスティング広告でも使えることがメリットになります。

一方で新規ユーザーにリーチ出来ないことや、設計によっては不要なターゲットにリーチしてしまうこと、タグ管理の煩雑さがデメリットです。

リマーケティング広告とは

リマーケティング広告とは、端的に言いますと「一度でもサイトへ訪れたことがあるユーザーに対し、サイトから離脱した後、広告を露出させることができる手法」となります。媒体によってはリターゲティングと呼んでいるところもあります。

一度でもサイトへ訪れたことがあるユーザーを追うことができるとは言え、その追跡可能期間は媒体によりけりであり、一定の期間訪問していないと配信の対象から外れてしまいますが、多くの媒体の場合、上限はあるものの追跡期間を設定することができるため、例えば直近訪れたユーザーだけ追跡するといった設定も可能です。また、フリークエンシー、要するに1日あるいは1週、1月あたり、リマーケティング対象のユーザーに対してどの程度広告を露出するかをコントロールすることも可能、などの特徴もございます。

そんな便利なリマーケティング広告ですが、勿論デメリットもございます。本講義ではリマーケティング広告のメリット、デメリット両方をお伝えすることで、リマーケティング広告に対する理解をより深めていただけたらと思います。

 

メリット1 - 確度の高いユーザーに対し広告を配信することが可能

まずメリットですが、リマーケティング広告は確度の高いユーザーに対して広告を配信することが可能な手法です。例えばECサイトに訪れ商品に興味を持ちカートに入れたものの、その時は決済画面で躊躇してしまいあるいは比較検討するべきだと渋り買わない判断をされたユーザーもいるかと思います。多くのリターゲティング広告ではURL毎にターゲット設定ができるため、そのような場合はカートまで到達したユーザーのターゲットリストを作り広告を配信することで、渋ってまだ購入していないユーザーへはもうひと押しを、あるいは購入し忘れていたユーザーには再想起させ購入を促すことができます。

また、一度でもサイトへ訪れたことがあるユーザー、ということはサイトに掲載している商品を認知したユーザー、ということになります。つまり、まだ商品名すら知らない完全な潜在層に対し、一度でもサイトへ訪問したユーザーは商品のことを少なからず知っているため確度は相対的に高いと言えるでしょう。もしくは、その時は商品購入や問い合わせをしないという判断をしたユーザーでも、ユーザーにとって欲しい情報が載っているホワイトペーパーなどの資料を無料ダウンロードするフォームへ誘導する広告で追跡するなどといった手法を取ることで、「その気はなかったがためになる情報が貰えるのであれフォーム送信してみよう」といった形でモチベーションを高める機会も生まれます。その後はいわゆるナーチャリングのフェーズに移り、資料請求時に取得したメールアドレスや電話番号へコンタクトを取り、コンバージョンに向けてコミュニケーションを維持するという流れです。

このように、リマーケティング広告は確度が高い、あるいは確度を高めることができるユーザーにアプローチできるというメリットがあります。

次に、サイトに訪れたユーザーは確かに確度は高いものの、数が限られているため、どこかで枯渇してしまい配信を伸ばすためには同じユーザーに当て続け、場合よっては、何度も広告を当てられたユーザーは商品やブランドに対し不快感を懐き企業ブランディング上マイナスに働くことがあります。

そのような際に推奨しているのは、類似ユーザーへの配信です。類似ユーザーへの配信というのは、リマーケティングリストに蓄積されている確度の高いユーザーのデータを起点に、近しい興味関心・WEB上での行動、Facebookですと同じようなページや投稿に反応しているユーザーに対して広告を配信することができる手法です。リマーケティングリストを元に配信するため、多くの場合、元データ程ではないものの、高いパフォーマンスを発揮することが多く、場合によっては類似ユーザーの方がCPAが良いなどといったケースもあります。また、ある程度コンバージョン数を計測できるサイトでは、類似ユーザーの拡張元データとして活用することでより精度の高い類似ユーザーへ広告を配信することが可能になります。ただし、その際、コンバージョンユーザーのリストを除外することに気をつけなければなりません。そうしなければ再度購入を促す商品でもない限り、既に購入したユーザーに対しても広告を配信してしまうからです。

また、類似配信の精度は媒体によりますが、おすすめはFacebook広告での類似ユーザーへの配信です。Facebookはデータの精度が高いため、興味関心ターゲティングだけではなく、類似ユーザーへの配信精度も高い傾向にあります。また拡張範囲も1%から調整することができるので徐々に拡げていく、といった調整も可能となります。

ただし、これはどの媒体にも共通して言えることですが、類似ユーザーへの配信とは言え、元となるのはリマーケティングリストに蓄積されたデータとなりますので、ある程度のデータ量が蓄積されていなければ媒体は類似傾向を学習することができず、配信することできません。

メリット3 - リスティング広告でもリマーケティングが可能

続いて、前提情報としまして、リスティング広告は「Google検索」、「Yahoo!JAPAN検索」が主要であり、他Bing検索、goo検索などがございます。日本国内における検索サービスのシェアは、Google検索がPC・スマートフォンともに約75%のシェア、Yahoo!検索がPCですと約15%、スマートフォンでは約25%を占めており、またそれぞれ検索ネットワークとしてシェアの低い検索サービスへもGoogle、Yahoo!JPAPAN検索から「検索パートナー」として入札することが可能ですので、両媒体での運用を行えばリスティング広告の面はほぼ100%抑えることが可能です。そんな「Google検索」、「Yahoo!JAPAN検索」のリスティング広告でも実はリマーケティングを活用したキーワードターゲティングが可能です。

リスティング広告でリマーケティングリストを活用する、とはどういうことかといいますと、リマーケティングリストに蓄積されているユーザーがターゲットキーワードを検索したときのみ入札をする、といった配信手法となります。そうすると、例えば少し潜在層よりのキーワードでも、一度サイトに訪れているユーザーにのみ表示させることができるため、ユーザー全てに配信するよりも確度が高い配信が可能です。また、同じキーワードで入札している場合でも、リマーケティング対象のユーザーと対象外のユーザーで入札単価に傾斜をつけることで、確度がより高いユーザーの検索時には必ず入札競争に勝つ、といった調整なども可能になります。

デメリット1 - 新規ユーザーに対しては広告を配信できない ※類似配信を除く

メリットで説明してきた通り、リマーケティングには様々有効な活用方法がございますが冒頭で説明した通り、デメリットもございます。

まず1つ目に、類似拡張などをしない限り、一度もサイトに訪れたことのない新規ユーザーに広告は露出できないという点です。勿論確度が高い配信手法でありますので、然るべき設計の上、なるべく実施した方が良い手法ではあるのですが、まだまだ商品やサイトが成熟しておらずアクセスも多くないため、今はとにかく多くのユーザーに認知してもらいたいといった場合、リマーケティング広告ではなく、興味関心など、いわゆるリーチ型の広告で新規ユーザーのサイト訪問を促すことの方が重要になります。

その際、リマーケティングリストを除外することで、一度サイトに訪れたことがあるユーザーには広告を配信しない、すなわち完全な新規ユーザーにのみ広告を配信することが可能です。

デメリット2 - リマーケティングリストにノイズが紛れてしまう可能性

リマーケティングリストには原則的に、サイトに訪れたほぼ全員が追跡対象としてデータが蓄積されていきます。ただし、サイトに訪れるユーザーは様々な経路から訪れ、経路によってはリマーケティング対象とするべきではない、ノイズとも言えるユーザーデータも含まれてしまうこともあります。

極端な例を挙げますと、Twitter運用をしている企業様がとあることで炎上してしまった、それによりTwitterのプロフィールリンクより普段では考えられない程のアクセスがあり、マークリストに蓄積されてしまった、などの例です。ユーザーはどのような意図であれサイトへ訪問しているためリマーケティングリストにデータが蓄積されますが、この場合恐らくネガティブなイメージで訪問されている可能性があり、そのようなユーザーをリマーケティング広告で追跡するといったことは当然避けたいことかと思います。その際の対処法としては、Twitter経由の訪問URLに何かしら特徴を持たせている、例えばトラッキング用のパラメータを付与しているとしたら、リマーケティングリストからパラメータを除外したリストを切り分けて作成し、そちらをリマーケティング広告配信対象とすることで一定回避することができるかと思います。

これは極端な例でしたが、リマーケティングを設定するにあたって心掛けるべきこととしては、訪問の純度によってリストを切り分けるということです。例えば、先程申し上げましたリーチ配信の例ですが、広くリーチし訪問した新規ユーザーと、類似配信で訪問したユーザーは、訪問の純度、言い変えるとコンバージョンの確度は異なるかと思います。そうした異なる純度のユーザーに対して、同じ配信手法で、同じ予算を割り当てるとなると、パフォーマンスを最大化できませんので、「ノイズ」を省くとまでは言わないものの、純度によってリストを切り分け、配信するユーザーを切り分ける対応が必要になります。また、訪問経路に加え、訪問時にどの階層、つまりURLまで辿り着いたか、によっても純度を分けることが可能です。

デメリット3 - タグの管理が煩雑になる可能性

最後に、タグの管理についてです。前提、リマーケティング用のデータを蓄積するには、使用している媒体毎に発行されるタグをサイトのソースコードに設置する必要があります。そうなりますと、複数媒体を使用している場合、どのタグがどこまで設置されているか、正常に挙動しているのか、など管理が煩雑化します。これを避けるため、Google Tag Managerなどのタグを一元管理できる無料ツールで、全てのリマーケティングタグを管理すると良いでしょうか。そうすることで、全てのページにGoogle Tag Managerのタグを設置するだけ、新たな媒体を運用する際に追加でタグを設置する必要がありませんし、タグが正常に挙動しているかもGoogle Tag Managerで確認することができます。

まとめ

以上、リマーケティング広告について、メリット・デメリットを含めお伝えしてまいりましたが、いかがでしたでしょうか。

本記事のポイントは、

まず、

・リマーケティング広告とは「一度でもサイトへ訪れたことがあるユーザーに対し、サイトから離脱した後、広告を露出させることができる手法」

であり、メリットとしましては、

・リマーケティング広告は、確度の高いユーザーに対し広告を配信することが可能

・配信先が枯渇しても、リストデータを元に類似ユーザーへ拡げ配信することも可能

・リスティング広告でもリマーケティングを活用することが可能

という所であり、とても利便性の良い広告手法ですがデメリットとして、

・新規ユーザーに対しては広告を配信できない

・リマーケティングリストにノイズが紛れてしまう可能性がある

・タグの管理が煩雑になる可能性

というところもございます。

現状のアクセス状況や用途を見極め、然るべき設計を行い活用することでパフォーマンスを最大化できるでしょう。

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