ディスプレイ広告とは?実施するメリットとデメリット
ディスプレイ広告とは?実施するメリットとデメリット

ディスプレイ広告とは?
ディスプレイ広告とは、大きく運用型広告と、枠を予約買いする広告に分類することができます。運用型広告ですと、Google Display Network(GDN)・Yahoo! Display Network(YDN)広告などのアドネットワークをはじめ、DSP/アドエクスチェンジ/SSPなどがその典型例として挙げられます。枠を予約買いする広告ですと、純広告や広義ではタイアップ広告などがあります。
キーワード広告との大きな違いは、名前の通り訴求するクリエイティブとして画像や動画などのディスプレイを用いる点です。ディスプレイ広告には上記の通り様々な露出手法がありますが、共通したメリットとデメリットがありますので、本記事にて理解を深めていただけますと幸いです。
メリット 1 - 広い広告面での露出が可能
ディスプレイ広告には、GDNことGoogle Display Network・YDNことYahoo! Display Network・モバイル面を多数保有するi-mobile Ad Networkなどに加え、Facebook広告・Instagram広告・Twitter広告・LINE広告・LinkedIn広告など、SNS媒体などのアドネットワーク広告や、MicroAdBLADE(マイクロアドブレイド)、Criteo(クリテオ)、FreakOut(フリークアウト)、logicad(ロジカド)などのDSP広告、他純広告やタイアップ広告など無数に露出できる面が存在しているため、ターゲットの特性に合わえて媒体を選定し幅広い広告面で露出し、膨大なオーディエンスにリーチすることが可能です。
メリット 2 - ターゲティング手法が多様
ディスプレイ広告の特徴として、膨大なオーディエンスにリーチできることに加え、各媒体保有のデータを使用することによりターゲティング手法も様々で多様なターゲティング手法があります。
例えば、ディスプレイ広告の中でも特に多くの配信面を持つGoogle Display Network(GDN)では興味関心を持つオーディエンスに対して配信することが可能です。どのようなデータに基づいてターゲティングをしているかと言うと、GoogleではGoogle Analyticsやその他ツールを無料で提供しており、タグが設置されているサイトを巡回したユーザーの行動から興味関心を定義しています。例えば、ペットフードや動物関連の動画サイト、ブログなどを普段巡回しているユーザーはペットに対して興味を持っているユーザーとGoogleは定義をし、興味関心ターゲットでペットを選択するとそのユーザーが該当します。またFacebook広告ではプロフィール登録時に職業まで記載しているユーザーに対しては職業レベルでターゲティングすることが可能です。
このように、ディスプレイ広告では媒体の保有するデータにより多様な配信手法を用いることが可能、というのもメリットの一つです。
メリット 3 - 訴求できるクリエイティブが多彩
また、冒頭でもお伝えした通り、ディスプレイ広告は画像や動画など多彩なクリエイティブでユーザーにリーチすることが可能です。リスティング広告ではショッピング広告を除きテキストでの訴求にとどまりますが、テキスト広告は一定時間読み込ませることが必要なため、ひと目見て訴求軸を伝えることが難しくあります。対して、ディスプレイ広告には多様なフォーマットがありますので、媒体のレギュレーションに沿えさえすれば伝えたい訴求軸をより視認性高く、より即座に伝えることができるというメリットもあります。
例えば、Yahoo!JAPAN関連の媒体に露出することがYahoo! Display Network(YDN)では、通常の画像広告から、キーワードと合わせたレスポンシブル広告、あるいは記事の見出しのようなインフィード広告といったフォーマットがあります。また、フランス発のリターゲティングDSP「Criteo(クリテオ)」では、最低出稿金額などのレギュレーションや、クリエイティブを生成するまでのデータフィードの活用など少々設定に手間はかかりますが、商品毎のディスプレイ訴求が可能であり、並べて表示したり、価格を表示などが可能であります。また近年では動画広告のフォーマットに対応する媒体も多く増えてきております。

このようにディスプレイ広告はテキスト広告では訴求できないような表現が可能あり、そのフォーマット、サイズは媒体によりさまざまですので、ターゲットユーザーに届きやすいメッセージを視認性高く伝えることが可能です。一方で、このクリエイティブの多彩さにも通じるところではありますが、ディスプレイ広告にはデメリットも存在します。その点についてもお伝えしてまいります。
デメリット1 - クリエイティブ制作の工数、コストが必要
ディスプレイ広告にはデメリットもあります。まずは先程お伝えした通り、ディスプレイ広告では多彩なクリエイティブ表現が可能ではありますが、もちろん制作には工数あるいは外注であればコストがかかり、目指す品質にもよりますが、そのコストはテキストのみのリスティング広告よりも遥かに大きくなります。動画広告を制作するのであれば尚更です。また、ディスプレイ広告枠の多くを占めるのは買付型、固定型の純広告ではなく運用型広告のため、一度制作して終わりとはなりません。クリエイティブのPDCAサイクルを回し勝ちパターンを見出すべく、A/Bテストである程度のデータが貯まり次第、新たな広告を用意する必要があります。ですので、クリエイティブを制作し続ける必要があるのです。また、媒体によってフォーマットや枠のサイズ、が異なりますので複数倍媒体に露出させたい場合、それぞれの媒体フォーマットを確認の上、制作をしなければならないという対応もあります。
このようにディスプレイ広告においてはクリエイティブの制作工数、コストがある程度必要だということを念頭に置いた上、面の選定やクリエイティブの種類などの設計を進めるとよいでしょう。
デメリット2 - ターゲティング精度はリスティングより劣ることが多い
続いて、ターゲティング精度についてですが、検索キーワードを元にターゲティングするリスティング広告に対し一般的には劣ることが多いです。といいますのも、リスティング広告は検索されるキーワードでターゲティングするため、ユーザーはある程度ニーズを言語化できておりニーズが顕在化されているとも言え、いわゆるマーケティングファネルでマッピングすると上位、つまり顕在層寄りに位置づけられます。一方で、ディスプレイ広告は、一般的には媒体が保有するデータを元にターゲティング設定を行い露出される面はあらゆる媒体の広告枠になります。なので、例えその広告商品に興味があったとしてもその時は異なる理由がある媒体へ訪問したのであり、広告をクリックするモチベーションとしてはリスティング広告より一般的には低く、マーケティングファネルで表すと下位から中位、つまり潜在~準健在層寄りに位置づけられます。
但し、リスティング広告よりもディスプレイ広告の効果が劣るとは一概には言えません。近年のAIの発達はすさまじく配信データが蓄積されるほど、より適切、つまりCVをしてくれそうなユーザーを狙いにいくよう媒体は学習し精度を高めていきますし、検索数の少ない商品のマーケティングをしたい場合はリスティング広告よりもFacebook広告での職業ターゲティングの方が、より高いCVRで多くのCVを獲得でき、結果CPAがリスティングよりも良い結果となるケースもあります。加えて、リターゲティングという一度サイトに訪問したユーザーに対して広告を露出する手法を使用すれば、ECサイトなどではカゴ落ちしたユーザーに対し再想起を促し購入を後押しすることが可能です。
このように、一般的にはディスプレイ広告はリスティング広告と比べると潜在層向けのためターゲティング精度が劣ることが多いですが、まずは新規顧客開拓のためにCPAを考慮せず配信することや、ターゲットを絞って効率良くCV獲得できるよう配信するなど、広告を配信する目的によって使い分けると良いでしょう。
デメリット3 - 掲載先の調整が頻繁に必要
最後に、ディスプレイ広告ではある程度使用する媒体毎に特色があるとは言え、媒体の持つ広告掲載面は膨大にあるため、効果を高めていくためにはこまやかな調整が必要というデメリットもあります。
例えばGoogle Display Network(GDN)で一定量配信した後、管理画面で確認できる広告が掲載された媒体を見ると名も知れぬゲームアプリであったり、YouTubeの掲載面がほとんどを占めており、イメージしていたターゲットユーザーが訪問しそうな媒体に全然露出されていないというケースもあります。Google Display Network(GDN)の場合、掲載先を媒体毎に確認でき、さらに除外設定もできるため、もし現在配信しているのであれば一度確認してみると良いでしょう。ただ、全ての運用型広告でGoogle Display Network(GDN)のように掲載面まで確認できるわけではありません。もしDSPなど複数媒体を併用し配信している場合は、まずは媒体毎にCTR、CPC、CVR、そしてCPAを確認し、効果の良い媒体に予算を寄せていく調整が必要になります。特に初動~2ヶ月程度は頻度高くモニタリング、代理店を使用しているのであればレポートを要求し、適切な予算配分を行う必要があります。
まとめ
以上、ディスプレイ広告をメリット、デメリット含めお伝えしてまいりましたが、いかがでしたでしょうか。まとめますと、ディスプレイ広告は
・媒体が多岐に渡るため、 広い広告面での露出が可能
・ターゲティング手法も多様多様である
・訴求できるクリエイティブ種類が多彩
というメリットがある一方で、
・クリエイティブ制作の工数、コストが必要
・ ターゲティング精度はリスティング広告より劣ることが多い
・掲載先の調整が頻繁に必要
というデメリットがあります。
このようにディスプレイ広告はクリエイティブ・露出面が多彩・多様であり魅力的である一方で、クリエイティブ制作の工数や予算配分のチューニングが一定必要であるため、まずは商品のターゲット設定を整理した上でどの媒体のどのターゲットメニューを使い、どのようなクリエイティブ検証をしていくのがよいのか、あらかじめ設計し広告配信を開始すると良いでしょう。